海外FXではどうやって確定申告すれば良いか悩んでいませんか?
海外FXや国内FXの税務にも詳しい筆者が分かりやすく解説します。
記事執筆時(2021年)には新型コロナウィルスが流行しているため、e-Taxでの申告がより推進されています。(青色申告特別控除額がe-Tax(ただし、税務署以外)で行うと増額します。)
e-Taxと書面提出は、提出を電子データで行うか、紙で行うかの差であり
申告書の作成上は差が殆どありません。(差は上記の青色申告特別控除額です)
【最新版2020年】海外FXで確定申告する方法を国内FXと対比しつつe-Tax、書面提出で行う場合の手順を図解で分かりやすく解説
それでは手順を説明していきます。
海外FXをe-Taxまたは印刷して書面提出で確定申告を行う場合の手順
まずe-Taxとは税務署に出向くことなく、インターネットを利用して申告や納税などの各種手続をすることをいいます。
対して、書面提出は国税庁確定申告等作成コーナーで作成し、印刷して税務署に提出することをいいます。
e-Tax、書面提出を行うにはまず国税庁確定申告等作成コーナーをクリックして下さい。
下の画面になりますので作成開始をクリックしましょう。

税務署への提出方法を選択する
- e-Taxで提出 マイナンバーカード方式
- e-Taxで提出 ID・パスワード方式
- 印刷して提出
を選択します。
ただ、どれを選んでも「国税庁HPで作成した後、最後の提出時にどうやって提出するか」の違いです。
よって今回は
毎年確定申告をしていたら発行されているID・パスワードを使って入力する、「e-Taxで提出 ID・パスワード方式」を選択することにします。(下図では真ん中)

利用者識別番号等の入力
毎年、e-Taxでの提出をしていたら利用者識別番号と暗証番号が発行されています。
この場合は下記に入力していきます。(すると氏名、生年月日など個人情報の入力が省けます)
入力できたら、「次へ」をクリックします。

住所等の情報の確認・訂正
登録されている情報がデータベースから呼び出されてきますので
変更や訂正する部分がないかを確認しましょう。


訂正・確認が終わったら、「申告書等を作成する」をクリックしましょう。

作成する申告書等の選択
作成する年度のタブをクリックしましょう。

税目の選択及び決算書・収支内訳書の作成
今回は所得税の確定申告ですから、「所得税」をクリックしましょう。
ただし、事業所得や不動産所得がある場合には、
その前に、帳簿に基づいた決算書や収支内訳書を作成します。

それでは作成開始しましょう。

申告する人の生年月日、提出方法、申告内容に関する質問
まずは申告する人の生年月日を入力します。
次に提出方法を選択します。ここではe-Taxでの提出なので「e-Taxにより税務署に提出する。」を選択します。
そして質問には各自「はい」「いいえ」で回答します。
ここでは海外FXでの所得を申告する前提ですので、「給与以外に申告する収入はありますか?」は「はい」となります。
それ以外は各自の事情により選択しましょう。

収入金額・所得金額の入力
総合課税の所得
こちらでは、該当する所得があるものについて記入していきます。
事業を営んでいたら「事業所得」を記入しますし、会社から給与をもらっているなら「給与所得」を記入します。
そして、海外FXはどこに入力するかというと「雑所得 その他」になります。ですので「入力」をクリックします。

海外FXの利益(損失)、経費を入力する
「入力する」をクリックします。

・種目は該当するものがありませんので、その他を選んで、「証拠金取引」と入力します。
・「業務に該当しますか」に関しては結論からいうと該当しませんが、念の為、下記に乗せておきました。
・収入金額は、海外FXで確定申告の為に、MT4から年間取引報告書(年間損益報告書)を出力する方法を画像付きで徹底解説 で計算された収入金額(Closed Trade P/L)を記入します。
・必要経費は、海外FXの取引をするのに必要となった経費を集計します。
例えば、書籍、サーバー代、セミナー代などが該当します。領収書や出金記録はきちんと残しておきましょう。
・源泉調整税額は0円となります。
・所得の生ずる場所は、取引に使った海外FX会社の住所を記入します。(分からなければ、FX会社の人に「確定申告時に記入する住所を教えて下さい」をメッセージしましょう)
・報酬などの支払者の氏名・名称は、MT4から出力された年間取引報告書(年間損益報告書)の上部に記載の海外FX会社名を記入します。
(下記は数字、業者住所、業者名共に仮定)


入力が終わると下記の様に表が作成されます。
別の業者での取引がある場合は「別の雑(その他)所得を入力する」をクリックし、同じ要領で入力しましょう。

総合所得の金額のチェック
入力した所得金額に誤りがないかチェックして、先に進みましょう。

分離課税の所得
株式の売買や配当があった方は該当項目へ入力します。
次に国内FX業者で取引があった場合に、どこに入力するかを解説します。
「分離課税の所得」の中の「先物取引に係る雑所得等」が該当しますので「入力する」をクリック。

国内FXの利益(損失)、経費を入力する
タブは「雑所得用」で
種類の欄は「FX」もしくは「外国為替証拠金取引」と記入します。
その下の取引の内容は記入の必要はありません。
・収入は、「差金等決済に係る利益又は損失の額」に国内FX会社から入手した取引報告書の利益(又は損失)の額を入力します。
・必要経費等は、海外FX同様、国内FXを取引するのにかかった経費を入力します。
書籍、サーバー代、セミナー代などが該当します。

次に、過去3年間に損失があり、確定申告をしている場合は通算できますので、過年度の所得税申告書の写しを参照に記入していきます。

海外FX分と国内FX分の金額の確認
海外FX分と国内FX分の金額の確認を行っていきます。

所得控除
該当する所得控除に記入をしていきます。

全ての入力が終わったら「入力終了(次へ)」をクリック

税額控除・その他の項目
該当する項目に記入をしていきます。


なお、
青色申告特別控除の適用要件の改正がありましたのでご注意下さい。
必要な項目に入力が終わりましたら「入力終了(次へ)」をクリック
確定申告書の作成が終了
このあと税額が算出されますので、
- e-Taxで提出 マイナンバーカード方式
- e-Taxで提出 ID・パスワード方式
- 印刷して提出
という流れになります。
提出後は
税額があれば納付期限までに納付する手続きを行うことになります。
※不安な方は、税理士や国税局にご相談ください。
まとめ 【最新版2020年】海外FXで確定申告する方法を国内FXと対比しつつe-Tax、書面提出で行う場合の手順を図解で分かりやすく解説
以上で海外FXの確定申告方法を、国内FXと対比しつつ解説してきました。
もう一度まとめておくと
海外FXは総合課税の「雑所得 その他」
国内FXは分離課税の「先物取引に係る雑所得等」に記入していきます。
海外FXで、MT4を使った場合の年間取引報告書の計算方法の記事も
リンクを貼っていますので確認してもらえると幸いです。
皆さんに役に立つことを願っております。